きっと ずっと もっと。
「友里も俺に言いたい事があるんだろう?」

そう問いかけてきた“幸大”は、あたしにも話を促した。


あたしはさっき告白できなかった、あたしの想いを言葉にしようとする。


もう、結果は判っているけど。

それでも、どうせ玉砕するなら、今度こそ“あたしの言葉”で伝えたかった。


それまでぎゅっと一文字に閉じていた口を開き、声を出そうとして感じる違和感。

ブランコの鎖を掴む指先の震えは、さっき電話を掛けた時にも感じたもの。


……もしかして、あたし緊張してるの?

それはコーちゃんに対して、初めて持つ緊張感だった事にやっと気付いた。
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