きみとベッドで【完結】
家に帰る。
先生のアパートの部屋に帰ることを、あたしはいつの間にか、
そんな風に思うようになった。
先生の懐の中が、あたしの帰る場所。
そうだったら、どんなに幸せだろう。
「ねぇ、先生」
「んー?」
食事のあと、煙草を吸いながら新聞を読む先生。
その先生の脚の間におさまって、先生に体を預けるあたし。
ぴたりと寄り添って、ただ穏やかに時間を過ごす。
この幸せが、あとどれくらい続くのだろう。
そう、幸せ。
あたしはいま、幸せらしい。
かりそめの
けれどそれは確かに、
幸せという名前のふさわしいもの。