きみとベッドで【完結】
「もうすぐ、夏休みだね……」
あたしの前に広げられた新聞の小さな文字。
事件、事故、世界情勢、経済問題。
そのどれもが興味がのないもので。
世界から捨てられたあたしには、どうでもいいもので。
けれどこの世界にきちんと生きているあなたにとっては、
そのどれもが大切なもので。
そう考えると、少しはあたしも大切に思えてくる気がするから不思議。
だからあなたにとってはきっと、夏休みも重要なこと。
「夏休みなー。まあ、学校が休みでも教師は休みじゃないからな」
「そうなの?」
「そうだよ。1週間くらいなら有給も併せてとれるけど、まあそれ以外はほぼ仕事。雑用で潰れるな」
天井に向けて先生が煙りを吐く。