きみとベッドで【完結】
先生の苦い香り。
あたしにもっと、染みこめばいい。
深く、深く、
離れても消えてしまわないように。
「おまえはいいな。1年中夏休みだろ」
「ふ……うらやましいの? あたしみたいな女の生活が」
先生が、頬をあたしの頭に寄せる。
煙草の匂いが強くなる。
「だっておまえは幸せだろう? 俺と一緒にいれて」
先生は笑いながら言った。
やっぱり、あたしの溶けた心がたれ流しになってるんだ。
「……ちがうでしょ。あたしが先生を幸せにしてあげてるんだよ」
「それは合ってる。……なぁ、シキ」
「ん……なに?」
先生の体温と声にとろんとしてくる。
どれだけ無防備になれば気が済むの、あたし。