きみとベッドで【完結】


幹生はなにを思ったのか拳を振り上げた。


そして男の顔の真横の壁に


その大きな拳をめりこませた。



ドンという衝撃で家具が揺れ、



男はがくりと膝をつく。




「バラされたくなかったら今すぐ消えな。2度とこの部屋に近づくな」




男は答えることもうなずくこともなかったけど、


這いずるようにしてこの場から逃げ去っていった。




恐怖はいなくなった。



でもあたしの震えは止まらない。




「シキ?」




幹生がしゃがんであたしの顔をのぞきこんでくる。


その右手は傷ついて赤くなり、血がにじんでいた。



幹生の手をぎゅっと握り、


祈るみたいに目を閉じる。




幹生を、巻きこんでしまった……!





沈黙のあと、幹生はあたしを抱き寄せた。

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