きみとベッドで【完結】
うつむいたあたしの頭を、
幹生がこつんと軽くなぐる。
顔を上げれば、優しい笑顔が待っていた。
「昨日も言ったけど、俺はシキの味方だよ。なにがあっても、守ってあげる」
「あたしの心配はいいから、」
「俺の心配なんてしてるの? うれしいけど、ばかだなシキ。ヒーローはヒロインを救うまで死なないんだよ」
冗談なのかよくわからないセリフに、
あたしは笑ってしまった。
この男は、あたしを救うつもりらしい。
そんなことはムリだと思いながら、
それでも幹生のことは信じられると改めて思った。
だからあたしは1つ、
重荷をプレゼントすることにした。
「あんたにあげる」
ポケットから出したのは、銀に光る鍵。
あたしの部屋の、唯一のスペアキーだ。