きみとベッドで【完結】
生徒玄関まできて、ようやく幹生はあたしの手を放した。
「あたしで遊ばないでよね」
「俺はおまえにだけは本気だよ」
「同じセリフ何人に使いまわした?」
「えーっと……」
指折り数え始める幹生。
ふざけた男だ。
靴を換えて、廊下で待っていた幹生にあたしは1つ忠告した。
「幹生。あたしに関わっていても、いいことなんてきっとなにひとつないよ」
「どうしたの急に?」
「昨日のこともそう。あの男はなにするかわからないから」
威厳も人望もない弱い男だけれど、
金と悪意だけは腐るくらい持っている。
幹生は強いし頭のいい男だけれど、
なにかあって無事でいられる保証はない。
幹生になにかあったらあたしは……