きみとベッドで【完結】

金にものを言わせて、学校に圧力をかけるくらいのことは平気でする。


あたしが中学生の時、


あの男はそうやってあたしの担任を強制的に辞職に追いやった。



だから、



「先生も教師をやってられなくなるかもしれないんだよ……っ!」



あたしの本気の叫びに動かなくなった先生の横をすりぬけて、


あたしは床に転がっていたケータイに飛びついた。



リダイアルで電話をかける。


コール2回で相手が出た。



『シキ? どうかした?』


「幹生……っ!」



こんな時、頼れるのは幹生しかいなかった。


信用できるのは幹生だけで。


相手のこととか考えずに甘えられる相手は、幹生ただひとりだから。



「助けて幹生っ!!」


『助けてって……なにがあった?』



幹生の声が聴けただけで、涙があふれてくる。

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