きみとベッドで【完結】
「どうしよう幹生……先生が、先生が!」
『安藤? 安藤がなに。ちょっと落ち着いて』
「先生が……あいつに! どうしよう幹生!」
助けてと、どうしようという言葉をくり返すばかりのあたしに、
幹生は根気強く声をかけてくれて。
あたしはなんとか事情を話すことができた。
それから幹生がマンションに駆けつけてくれるまでの20分間。
あたしはひたすら泣いて震えて、
家財が散らばる床にうずくまっていた。
幹生が来てくれても、不安はなかなか消えなくて。
幹生にしがみついたまま長いこと泣いていた。
「手は打ったから大丈夫。心配しなくていいよ、シキ」
そう言われてようやく震えがおさまってきたところで、
安心からかひざからくずれ、意識を失った。
先生がすぐそばにいたはずなのに、
声もぬくもりも、遠かった。
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