きみとベッドで【完結】
「シキ……?」
そのまま何もまとわず、
ぺたぺたとシキはリビングの方に消えていく。
温もりの消えた腕を、自分の目に当てた。
「最低だな……俺」
すぐにコンロに火がつく音が聞こえてきた。
自分でココアをいれるのか。
俺がすぐ、入れてやればよかった。
薄暗い部屋でひたすら反省していると、
シキがカップを1つ持って戻ってきた。
湯気のたったそのカップが、すっと前に差し出される。
「シキ?」
「飲んでいいよ。つらい時とか、元気がない時とか、ココアを飲むとちょっと気持ちが落ち着くの」
「俺は甘いのは……」
わかっているくせに、なぜココアなんか。
もしかして、怒ってるのか。