怖がり少女と吸血鬼
12 * いいえ時計の針の音です
「じゃあね、柚子ちゃん。今度会ったらお茶でも行こうね☆」

爽やかスマイルでそう言いながら、シードさんは背中から翼を出し、窓から外へ羽ばたいた。


どこのナンパ少年…?

でもこんなかっこいい人なら、断る理由なんてないな。


なんて、考えて。



ちなみに、あたしはまだ黒沢くんの腕の中。


また再び顔が熱くなる。

慌てて、腕の中から逃げるように黒沢くんの腕を押し退ける。


そしたら、ますます強く、ギュッと黒沢くんはあたしを抱き締めた。




!!!??!?

え!?え!?


あたしは完璧パニック状態。

もう、顔が火傷したみたいに熱い。
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