怖がり少女と吸血鬼
「こいつは俺のだ」


黒沢くんはしっかりとあたしを抱き締めたまま、シードさんにキツく言い放つ。


「いいじゃんちょっとくらい」

「そうか、今日がお前の命日になるが、文句はねぇよな?」


黒沢くんがそう言うと、シードさんは「ちぇっ」と言いながらしぶしぶ諦めた。




その間も、あたしの心臓はドキドキしっぱなし。

黒沢くんは、無自覚なところがタチが悪い。


ほんと、吸血鬼様と知り合ってから…

心臓がいくつあっても足りないよ。(いろんな意味で)













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