怖がり少女と吸血鬼


「うるせぇな。俺様の耳の鼓膜が切れたらどーすんだ?」


黒沢くんは思いっきり不機嫌な顔をして、私を睨む。


「だ…だってだって!
頭の中で考えてたセリフと一緒だったから…」



「つまり…お前は俺のご飯になりたいと?」


黒沢くんはニヤニヤしながら、あたしをからかうように言う。


「そういうワケじゃな――――いっ!!!」







でもこの時は、あたしはまだ、
《ご飯=性欲処理》だと思っていたのだ。

ほら、「食べられちゃうよ?」とか言うでしょ?



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