怖がり少女と吸血鬼
 

「…吸、血鬼…?」

「さっき血吸っただろ」


――あれは、牙だったんだ…


ふいに、綾音の言葉が頭をよぎった。



  普通の人間のふりをして
  美味しい血を持つ人間を
  探しに来た…とかね。



「ぎゃあぁああ――!!!!!
たっ…食べ、食べないでぇえぇ!!!!」


「うるせぇ」


ベシッと頭を叩かれ、あたしは口を閉じた。
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