砂に書いたアイラブユー
第3章
     3
「美味しいわね」


「ああ。……君も麺類好きなんだろ?」


「ええ。大体、学食でもラーメン食べるわよ。付け合せにチャーハン頼んだりして」


「そう……」


 僕が言葉尻に微妙な含みを残しながら、そう言った。


 奈々も頷いていて、笑顔が絶えない。


 僕はそれを具(つぶさ)に感じ取りながら、焼きそばを食べ続けた。


 彼女が笑顔になると、僕も嬉しくて表情が変わる。


 そして僕たちは冷えきった場所で昼食と休憩を十分取り、また海に行くことにした。


 眼前には青空があり、彼方には白雲、そして目をビーチとは反対方向に転じると、生い茂っている木々の緑がある。


 僕は軽い足取りで歩き続けた。


 踏みしめているのを熱い砂だと感じながら……。
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