あなたが触れる度に


「何にする?」


ズイッとメニューを見せられる。

どうしよ…逆に頼まないと気まずいよね?


「じゃあー…アイスティーで。」

と、目の前に書かれていた写真付きのアイスティーを頼んだ。


グラスが汗をかいていて、
いかにも冷えてますって写真。


「じゃあアイスティー1つ。
それと、ジンジャーエール。」


じ、ジンジャーエール!?


「かしこまりました。」


ウェイターさんはメニューを私たちのテーブルから取り、
奥の厨房へと消えた。


「ジンジャーエール、ですか。」

「うんっ。なんか好きなんだよね。あのシュワーってした感じがさ。スッキリするじゃない?」


「はぁ…。」


よくわからないけれど、取りあえず頷く。


ジンジャーエール頼む人、珍しいよね。


ちらっと奥を見ると、
若いウェイターさんたちが
楠本さんを見て頬を赤く染めている。


やっぱ、かっこいいよね、この人。


そんな彼を目の前にしている私は、彼女に見えているのだろうか?


なんて、生意気なことを考えてしまった。





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