天使になれなかった。
「俺は手嶋さんのこと知ってたよ。手嶋さんどこかみんなと違うし……って誰かが言ってた!」


……それはアンタもじゃない。

その綺麗すぎる顔立ち。茶色の大きな瞳と雪のように白い肌……もともと色素が薄いんだろう。
茶髪なのは地毛なのか染めているのか。

「まぁ手嶋さん綺麗で目立つからね」

アンタに言われたくない…


てゆうかいつまでついてくんのよ?


「いつも1人でいるよね?委員長からの誘いもアッサリ断ってたし」


隣でごちゃごちゃ話されるウザさが、だんだん限界にたっしてきて歩くスピードを速めた。

「ねぇ!どこいくの?!」

それでも楽しそうな顔でついてくる。

「関係ないじゃない!ついてこないで!」


そう言うと、あっさりついてくるのをやめた。
あたしは振り返らずに小走りですすみ続けた。








「世界を壊してみたくない?」









後ろから聞こえた声に思わず立ちどまり振り返ると蓮見は妖艶的な微笑みを残して去っていった。

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