天使になれなかった。
午後からの授業は仮病を使ってサボタージュ。
何もする気にならない。
学校を飛び出して、どこへいってもあたしと凛羽がまき散らしたサプライズニュースの話題ばかりが転がっていて、深呼吸なんて出来なかった。
全てを解放できる残された場所、錆びれた無人工場の屋上で寝そべっている。
皮肉なくらい空が眩しい。
鮮明な青に淡い白が混じりあって、太陽の光が切り裂くように直射日光を降らす。
手を伸ばすのも億劫で、やめた。
かわりに眼を閉じてみる。
風の音がした。
錆びの匂いがした。