天使になれなかった。

「もう帰るの?」

無視をして、靴箱に上靴を投げ入れる。

「部活とかしてないの?」

あたしは黙ったまま。

アンタと喋る気なんて毛頭ないよ、と声に出さずとも全身から発している。






「返事を聞きにきたんだ」


唐突の不可解な言葉に蓮見を横目でみた。

「……何の?」

「世界を壊すことの」




微笑のようなその顔はやはり妖しい雰囲気で少し儚い何かを想像させる。

どこかエロティック。



< 22 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop