天使になれなかった。
『……うん』
凛羽が最後に見せた強ばって、どこか怯えた表情が頭をかすめた。
凛羽は今、笑っているのだろうか?
長い睫で陰をつくり、あの疲れはてたようなその場しのぎの悲しい笑顔。
『凛羽脱いでよ。今すぐ抱いて。』
心臓が破裂する。
『脱げよ!ほら!脱げって!はーやーくー!』
震えがとまらない。
そうだ、凛羽に帰るように言われてるんだ。
帰らなきゃ。
だけど
体が動かない。
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