涙。
お母さん……知ってる?

今日は、願い事が叶う日なんだよ。

だから、お母さんの代わりにお願いするね。

雪が降る中、外に目をやるとその人が居るのが見えた。

だから私、興奮して夢中で走ってその人の裾を掴んだ。

真っ赤な服に身を包んでいる。絵本で見た通りの特徴だったからすぐに分かった。

「どないしたん?」

「お願い。」

「なんや?」

お母さんには内緒。
だから、私は耳元で願う。


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