開かない窓
そして、彼自身も俺をとっつきにくい後輩だと思ってるのか、先程から手首のブレスレットを弄りながらごく小さい溜め息を漏らしていた。細かい文様の彫られたそれは、異様に鈍く光っている。
俺も何となしにそれを見つめながら、この気まずさを打開する方法を懸命に考えていた。
(苦手だからって、いつまでも黙ってる訳にはいかない。何か、何でもいいから話さないと・・・・何を話そう?『晃って死んだ時どうでした?』じゃ流石にマズイし・・・・。)
そこで俺は、差し障りのない事を聞くことにした。
「月岡さん、陸上部はいつもこんなに遅くまで練習しているんですか?」
「ん?まあ・・・・・そうかもね。でも今日は俺だけ居残り。それに明日も、結構早い時間から朝練があるんだよ。」
「あ~・・・そういえば予選近いですもんね。」
「ああ、蓮から聞いたの?」
その問いにはい、と頷くとやっぱり、と言った様な顔をした。
俺も何となしにそれを見つめながら、この気まずさを打開する方法を懸命に考えていた。
(苦手だからって、いつまでも黙ってる訳にはいかない。何か、何でもいいから話さないと・・・・何を話そう?『晃って死んだ時どうでした?』じゃ流石にマズイし・・・・。)
そこで俺は、差し障りのない事を聞くことにした。
「月岡さん、陸上部はいつもこんなに遅くまで練習しているんですか?」
「ん?まあ・・・・・そうかもね。でも今日は俺だけ居残り。それに明日も、結構早い時間から朝練があるんだよ。」
「あ~・・・そういえば予選近いですもんね。」
「ああ、蓮から聞いたの?」
その問いにはい、と頷くとやっぱり、と言った様な顔をした。