不器用なLOVER
twelfth origin
「嗚呼…先週一緒だった彼女確かユミって言ったと思ってたけど、雅美さんだったんだ。より戻したってことでいいの?」

透弥さんの口撃は更に続いて…、

「ハルナって人だったかな?
ナツキって人は先月だったと思ったけど…」

春…夏…次は秋かな?

「アキ……」

淡々と女の子の名前を並べていた透弥さんが口籠り、私を見下ろした。

「…晶ちゃんには、まで手出してねぇよ?」

朋弥さんがニヤっと笑う。

「ちょっと透弥さん、どういうことですか?やっぱり噂通り軽い人なの?」

雅美さんが朋弥さんを睨み付け、

「一目惚れだって…可愛いって言ったのも、全部嘘なの?」

目に涙が溜っていく。

耳の上に手を置き、

「いやぁ〜嘘は吐いてねぇよ?
可愛いと思ったし、ってか今も思ってるし…でなきゃ誘ったりしないって」

今にも溢れ落ちそうな涙を蓄え、

「本当に?」

雅美さんが朋弥さんを見つめる。

「…俺さ、誤解されやすいんだ。付き合ってみると違うってフラレるってか…」

朋弥さんがうつ向き加減で呟き、

「一目惚れしやすいのも事実だし優しく微笑まれたりするとすぐだから…」

低くゆっくり告げる。

「透弥さん…」

溢れ出した雅美さんの涙を、軽く指先で拭う。

「ゴメンなぁ…こんな俺情けねぇだろ?本当は友達とかに自慢出来るような彼氏じゃねぇんだ…」

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