不器用なLOVER
thirteenth past
期末試験を来週に控えた週末、

「明日は土曜日で休みだし今日は家で勉強会しない?」

登喜子の提案に、

「いいじゃん。必勝ノートもあることだしね?」

真姫が私のリュックを叩いた。

「そうね、あっちゃんだけ会長の試験対策なんてズルイわよね?」

衣里が有無を言わせないための圧力を掛ける。

「分かったけど…今から?」

だとしたら今日は透弥さんに会えないってこと?

土日は学校休みで会えないのに…

学年違うから元々放課後しか一緒に居られないんだから。

「ブツブツ言わないの」

衣里に頭を軽く撫でられ、

「どっちにしてもお泊まり用具を用意しなきゃだから集合は18時頃かな?」

真姫が腕組しながら聞く、

「早過ぎ?夕食どうしよう?」

何も答えない私に代わり、

「なら駅前のファミレスに19時半ならどう?」

三人が私の顔を見つめて、気付く

そっか私に合わせてくれてるんだ

透弥さんに会って来いってこと。

「んと…大体いつも18時頃に学校出るから、家帰って支度して…」

あれ?
間に合わない?

家まで1時間ぐらいかな?
朝はもうちょっと早いけど一緒だと何かゆったりなんだよね。
私的には短いっていうか、もっと一緒に居たいけど。

15分で支度しても…

「家からそこまで15分じゃ着かないかも…」

「晶夕食抜き。登喜子ん家直行」

真姫が冷たく言い放つ。

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