不器用なLOVER
「あの、中学の時透弥さんと朋弥さんって、双壁の宮原って言われてたんでしょ?」

突然の話題の内容にも関わらず、三人が一斉に頷く。

「その頃の二人のこと教えて?」

思い出すように、

「う〜んその頃の二人って言われてもね…」

まず登喜子が口を開いた、

「とにかく二人共サッカー巧くてチームの中心的存在だったよね」

「あの頃は会長もまだ今と違って人を寄せ付けない感じじゃなかったね?眼鏡もかけてなかったし」

真姫が続き、

「うん。今よりそっくりで双子説まで流れてよね?他校の女の子なんてよく間違って朋弥先輩に告ってた」

最後に衣里が付け加えた。

【俺だかお前だか区別も付かないようなミーハー女からお前のこと守ってやった】

朋弥さんの言ったのはそういうことなのかな?

「でもその分、朋弥先輩は何かと比べられて可哀想だったなあ」

それって登喜子の贔屓目なんじゃ

「確に、会長は典型的な天才型に対して朋弥先輩は完璧に努力型」

真姫が言うと真実味を帯てくる。

「努力しても会長の二番手は変わらなかったみたいだけど」

衣里の言葉で確信する。

【初めて透弥に勝てるかもな?】

朋弥さんの意志を…。

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