不器用なLOVER
何度も軽く吸われるだけの唇を、堪らずに薄く開くと待ち構えてた熱が侵入して私の中を掻き乱す。

「ん…っ」

漏れる息が甘く変わって行き、
透弥さんの手が腰から下に下りる

「ぅん…っ」

その手が丸みを包み、
何も考えられない…。

透弥さんの指が更に奥への侵入を試みようとしてる時に、

ドアを叩く音が響いた。

びっくりして透弥さんの胸を押すけど…、

透弥さんのキスも丸みへの愛撫も止まらない。

「ぁあ…ん」

指が一瞬…触れ、
まだ感じたことのない甘い刺激に声が漏れ足から崩れ落ちる。

「…失礼します」

と同時に実行委員のメンバーが、入ってきた。

「あれ?
里中んなとこに座り込んで何してんの?」

メンバーを振り返ることも出来るはずがなく。

メンバーも目当てのお弁当に夢中で特に気にすることもなかった。

「悪いけど、それ全部持って早く出てもらえる?
僕等も外で食事したいから」

透弥さんだけが、
何時にも増して冷然な対応なので

「すみません会長…」
「遠慮なく頂いてきます」

口々に溢しながら、
両手に抱え込み部屋を後にした。

綺麗に片付けられたテーブルを、

「さぁ、朋弥も待ってるから」

満足そうに見下ろし、

「晶大丈夫?立てる?」

屈み込んで私を見つめた。

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