不器用なLOVER
ベッドに寝かされ、覆い被さる。

聞きたくて、
気になって、
でも…
返事が怖かった、
胸に支えた言葉を、
吐き出す。

「私のこと汚いと思ってる?」

真っ直ぐ見下ろす目。

「他の男に襲われたこと?」

黙って頷く。

「防犯カメラに映った時間から、
あの場所までの距離と、
電話があった時間を、
逆算してみても、
行為が為されたとは考え難い。
跡も残されてないしね」

小さく頭を振る。

「それでも…何かされたとは思ってるでしょ?
私の写真、見たの?」

睫毛を伏せ視線を摩らす。

「それは、見たけど。
例えば未遂ではなかったとしても僕は、晶のことを汚いなんて思わない」

再び強く捕えた。

目頭が熱くなり涙が溢れ落ちる

涙を指で掬い、

「泣かないで」

目に唇が落ちる。

「なかった…何にも、されてない
下着は、見られたけど…
上だけだよ?
触られてない」

涙声で伝える。

「触られなかったの?どこも?」

見つめる目に、

「首と、背中は…ちょっとだけ」

一瞬怒りが見えた。

「そう。首と、背中ね…」

首筋をそっとなぞる指先。

「僕より先に、晶の素肌に触れるなんて許せない」

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