不器用なLOVER
急に立ち上がり、パソコンを立ち上げる。

カチカチとマウスをクリックしていく指。

それをベッドに座って眺める。

「画像解析に時間が掛ったけど、見てごらん晶」

画面に映り出される人達。

「あっ、この人達…」

私を襲った者達が、裏門から入ってくるところで、

次にマウスをクリックすると、

私を脅した彼女と、
私を襲った男が映し出された。

「この人…」

私は正視出来ずに目を閉じる。

「彼等の父親が会社を共同経営している関係で、二人がよく一緒に居るのを見かける」

透弥さんの淡々とした声が聞こえ

「晶はどうしたい?
さっき僕達は戦うって言ったの覚えてる?
警察に届け出てもいい」

目を開ければ、
私をしっかり見つめる力強い目が

「でも、そんなこと出来ないよ」

周りの目が怖い。
報復が怖い。
できれば…忘れたい。

「そう。晶がそれでいいなら。
ただ、僕は許せない。
だから取り敢えず、彼等の父親の会社は潰すことにする」

透弥さんの目が鋭く光った。

「潰すって何するの?」

「簡単なことだよ。
会社の脱税の証拠を、ある機関に匿名で送っただけだから」

脱税の証拠ってそんな簡単に手に入るものなの?

私の驚きを余所に、

「二人には退学処分になってもらうから、もう会うこともないと思うよ」

退学処分にしたってそんなこと出来るの?

透弥さんって一体何者

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