不器用なLOVER
「ん〜、もう少し」

上から降る声と同時に、

「やっ…」

首筋にかかる息に声が漏れて…、

恥ずかしさに身をよじった。

「ちょっ…晶、動かないで」

透弥さんも苦しげに漏らす。

「はぁ〜堪んねぇ。晶ちゃんもっ回聞かせて」

朋弥さんの息が耳に触れ、

「ふっ…ぅん」

甘い吐息が透弥さんの胸に押し付けていても漏れてしまう。

「朋弥いい加減にしろ」

私の体越しに体を引き離しに掛る

「良いじゃん透弥だけズルイし。俺にも分けてよ」

体を擦り寄せられる。

「冗談じゃない離れろ」

透弥さんのこんな取り乱してるとこ初めて見たかも。

何て考えてる余裕なんてない。

透弥さんの太股を跨いで、
朋弥さんの腰に上から押さえ付けられた状態で、首筋に耳に甘い刺激…。

ただ漏れそうになる吐息を透弥さんの胸に押し付けて耐えるだけ。

私を挟んで上と下で押し問答を繰り広げる二人が動く度に上がってくる痺れにも似た刺激に

「はっ…あっ、ン」

堪えきれずに体が退け反ろうとするのに上からの圧力に寄って阻まれ顔だけが透弥さんの胸から外れ、深く吸い込んだ呼吸に擦れた声が重なる。

恥ずかしいとかの感覚は既に遠退いていた。

「朋弥お前…」

「今のは俺じゃねぇ」

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