人魚姫~A Mermaid Princess of victory~
海を見ていると、なんだか落ち着く。


1年前も、そうだったのかもしれない。


あの日だって、息苦しくてここに来たのかもしれない。


“ねぇ、今日何考えて走った?”


急に声をかけられて振り返ると、真っ赤なサーフボードを持った、彼女がいた。


“よけいなこと考えないで、走ることだけを考えなよ”


“マリンに、何が分かるんだよ!!お前は、毎回賞取ってるだろ?”


あーぁ、俺最悪。
彼女にまで、八つ当たりしてるし。


“…分かるよ”


“はっ?”


彼女の目は悲しそうに揺れたけど、次の瞬間、表情が消えた。


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