もしも。
低い声が。
甘いキスが。
長い指が。
大きな手が。
長くて力強い腕が。

私の全てを包み込む。


一瞬だけ苦い思い出を忘れさせてくれる。

「そろそろ返事聞かせてよ」

返事…
決まってるじゃない。

私は、貴方が大嫌い。


「返事は…NO」


身体だけの関係。
それで私は十分満足してるの。
心も繋がる…なんて面倒なことはしない。

「どうして?」

「嫌いだから…」

そっと私は呟いた。
ねぇ、こんな女つまらないでしょ?

もしも私が貴方のようになれたら、きっと答えも同じ。

付き合うとか、結婚とか面倒なものはしないわ…

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