My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~

「またそんなこと考えてんの?」


そう言われて、無意識に視線が床へと落ちていく。



「そんなに何でも『自分のせいで』って思ってたら、疲れるよ?

つーか俺、笑佳ちゃんと一緒に過ごせるだけで嬉しいし。」




…え?



雄哉くんの言葉に、咄嗟に顔を上げた。




そ…それって…


どういう意味で、言って………




「あっでも、12時過ぎちゃってるから、今日じゃなくて昨日じゃん。」


そんなことを言って、笑う雄哉くん。




って…


「昨日!?」


「え?うん、昨日だけど。」


「待って!あたし、ちゃんとまだ1回も『おめでとう』って言ってないよ!?」


「…そーだった?まぁ」


「誕生日おめでと!」



雄哉くんの言葉を遮って、そう言った。





「…ありがとっ」



雄哉くんの満面の笑顔。


それは、テレビや雑誌でするような“見せる”笑顔じゃなくて。



雄哉くんの笑顔を見て、あたしのほうが嬉しくなるんだ。
< 108 / 319 >

この作品をシェア

pagetop