My Prince ~運命の出逢いは、アイドルと…~

「いつでも、UNTSについてきてくれて、本当にありがとうございます。」



雄哉くん……。




深くお辞儀をして、顔を上げた雄哉くんの目には、涙が浮かんでいる。気がする。




「頑張れーっ」

「王子ー」


そんな雄哉くんに、観覧席にいるファンの子が声をかけているのがテレビ越しに聞こえた。



その声を聞き、柔らかい笑顔になる雄哉くん。



「今からお伝えするのは、高瀬雄哉の個人的なことですが、ファンのみなさんに、1番に伝えたいと思っています。

どうか、驚かずに…聞いてください。」



雄哉くんが一呼吸おく。



その様子に、あたしはごくりと生唾を呑んだ。


テレビに映るファンのみんなも、雄哉くんを見つめて息をひそめる。




< 314 / 319 >

この作品をシェア

pagetop