キミのとなり。
「あっ、みさ……」


美咲の後を追いかけようと視線を部室棟に移すと、もう女の子の姿はなく、トモがこちらに歩いてくるところだった。



「あっ、智君」

「あれ? 久しぶりじゃん? クラス違うとあんまり会わないもんだな」



トモと美咲は1年の時同じクラスで、私たちが幼なじみだってことももちろん知ってる。



「今度試合あるんでしょ? レギュラー取れそう?」

「誰に向かって言ってるわけ?」


……なんか、トモと美咲の会話にうまく入っていけない。


さっき、どうしてトモと女の子の姿を見て、胸が痛くなった気がしたんだろう。


今までだってそんなところ見てきたのに。


なんとなくだけど、周りの空気が違って見えたから?


どうして──。




「ちーちゃん?」
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