キミのとなり。
ぼーっとしていた私の顔を、美咲が不思議そうに覗き込んだ。


「……えっ? なにっ?」

「どーしたの?」

「な、なんでもないよっ。早く着替えよう!」


私は美咲をその場に残して部室棟の廊下を曲がった。


「ヘンなちーちゃん」

つぶやきと一緒にパタパタと足音が追いかけてくる。




「……あ」


小さく声が漏れた。


バスケ部の部室の前に、さっきの人がいたからだ。


……先輩だったんだ。



うちの学校は学年ごとに上履きのラインの色が違う。


彼女が履いている上履きは3年生であることを示す赤だった。


よく見ると……マネージャーをしている先輩だ。


直接知ってるわけじゃないけど、先輩だってことがわかった以上、無視するようなことはできない。


ペコリ、と会釈をした。
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