キミのとなり。
「おまえさぁ」

冷たい声がした。


「こないだ修平が来たのって、お前迎えに来たんだろ?」


やっぱり、トモの耳にも伝わってたんだ。


「お前らつき合ってんだろ? だったら別に俺がどうしようと関係なくね?」

「トモ……?」


──顔を上げると、見たことないくらい冷たい表情をしていた。



「つーか、むしろ俺なんかいない方がいいんじゃねーの?」

「なん、で……」


視界が揺れた気がして、思わず下を向いた。


「なんでそんなこと言うの……? トモだって、先輩とつき合ってるじゃん……」

「……それこそ、お前に関係ねーし」

「…………」


今、口を開いたら、涙がこぼれそうだ。


「俺、もう行くから」


キュッと音がしたかと思ったら、どんどん足音が遠ざかっていく。


小さく息を吐いて、こぼれそうな涙を必死に抑えながら、体育館に背を向けた。


「……バカ……」





とても部活に出られる状態じゃなくて、そのまま家に帰って来た。


カバンを床に放り投げて、ソファに膝を抱えて座り込む。


「バカ……」


膝に向かって小さく呟く。


なんであんなこと言うの?


トモと先輩のこと、確かに私には関係ないかもしれないけどさ。


でも、あんな言い方って……。


さっきの冷たい声と表情が蘇って来た。


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