私の夫は王になれない俺様
「部屋に戻るっ」

ロバート様が勢いよく立ちあがると、大股で部屋を出て行ってしまった

「新婚初夜なのに…勿体ないことするなあ」

イサンが、首の後ろをぼりぼりと掻いた

「神に誓ったことすら忘れたのよ」

私がぼそっと呟くと、イサンがフンと鼻から息を噴射した

「浮き沈みが激しいやつだからさ」

「面倒くさい性格ねえ」

私がソファに肘をつくと、ため息をこぼした

「あいつの甘える場所を作ってやってよ」

「だれが?」

「妻でしょ?」

イサンに指をさされる

「ちょ…人の顔を指でささないでよ」

私は、イサンの指を叩き落とした

「あいつの背中には、何千もの人間の命が乗っかってるんだ
明日から、あいつの生活を見ていれば、わかると思うけど
ゆっくりと息つく場所を、作って欲しいんだ
貴族は暇な生活だ…なんて言う人も多いけど…
真剣にやっている人は、それなりに忙しい生活なんだよね」

イサンがさびしそうにほほ笑むと部屋を出て行った

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