私の夫は王になれない俺様
「あー、気持ちが持ち上がってるところ
大変、申し訳ないんだけどぉ
私、別に王座とかに興味ないから」

私は苦笑した

「…なっ…お前が奪えと言ったんだろうが」

ロバート様の眉がくいっと持ちあがった

「じめぇ…っと暗い毎日を過ごして、時々部屋で暴れる生活をするくらないなら…夢を抱けって意味で、王座を奪えば?…って言ったけど
別に協力してあげる、なんて一言も言ってないわよ」

「人をその気にさせておいて…知らんぷりとは無責任な女だ」

「私の気持ちを無視して、結婚させた極悪非道なブルース四世サマに言われたくないわよっ」

「…あんだとぉ?」

「何よ」

私たちは、数秒間睨みあってから、互いに顔をそむけた

なによ

こんな負けん気の強い男だとは思わなかったわ

ひょろっこい男で、金髪で…青い瞳だったから…素直で、清廉で、思いやりがあって、優しい男かと思ったのに

…て
『俺と結婚をしろ』っていう手紙を送ってくる時点で

優しさとか、思いやりには欠けているわね

素直…ちゃぁ素直かもしれないけど、清廉でもないわね

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