三日月の雫
あの日のかんなの記憶がフラッシュバックする。



「――気にしてないよ」



好きだと思う気持ち。

率直に伝えることもできない、現実。



「だから柚羽ちゃんも気にしないで」



君のことを、何とも思っていないわけじゃない。

僕が好きなのは、君だけだから。



「はい!」



気にしないでと言う僕に笑いかける君。

そんな君を見ていると、僕はとても胸が痛むんだ……――。

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