三日月の雫
「……苦労かけたな、永輝」
――そして、現実。
啓介さんが数年ぶりに、僕の前に姿を現した。
「啓介さん、老けました?」
ふざける遼太郎の頭を僕は軽く殴る。
歓迎ムード一色に包まれる中、啓介さんは僕を外に呼び出した。
「…そうか。今もユウヤが仕切ってんのか」
啓介さんがいない間のことを、僕は事細かに話した。
懐かしそうな目をしながら、啓介さんはタバコに火を点ける。
「……永輝。まだオレに言うことがあるんじゃないのか?」
一呼吸置いて、啓介さんが切り出す。
僕はすぐに、かんなのことだと直感した。