一瞬のきらめき。

溶け合う心。

4回目のWデート。








私たちは学校から少し離れた公園にいた。







相変わらず仲がいいひとみとまことは私たちの前でもお構いなしに抱きついたり手をつないだりしていた。








私は翔くんと少しは打ち解けたのかな。






仲が良くなったのかな。







話せているだけでも幸せなのにひとみたちを見ていると、私もうっかり期待なんかしてしまう。







この先もっと、仲良くなれたら。







私も翔の特別な存在になれたら。






翔は私をどう思っているんだろう。






嫌で仕方なく一緒にいるとは思いたくない。







でも…聞くのは、怖い。







気持ちを口にする勇気もない。







翔は今は彼女がいないみたいだったけど、好きな人がいるみたいだった。






モテモテな翔だからいつまた彼女が出来てもおかしくはない。








そうなったら私はもう遊べないんだ。







そんなのやだけど…。






気持ちを打ち明けて今の友達関係がなくなったら嫌だ。






憧れで見つめているのが精一杯だった私がようやく友達になれたんだ。






今でも充分すぎるでしょ。








でも………。







…本当に今のままでいいの?













少し前を歩いていたまことが言った。







「俺たちちょっとラブラブしてくるわっ、じゃねっ。」






そう言うと公園の暗がりに消えていった。


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