この想いを君に…4
「でも今週は木曜日夜から祥太郎とサーキットに向かうから泊まるのは水曜日だけだよ」

パパはそう言うと湯舟から立ち上がる音が聞こえてドアが開いた。

「…睦海、どいて」

あたしが脱衣所で座り込んでいたからパパの眉間にシワが寄った。

慌てて立ち上がる。

そして…

チラッ、とパパの身体を見つめた。

現役を退いてからかなり経つのに、今だに綺麗な筋肉が付いている。

40代後半には見えない。

「…光と比べてるの?」

パパはフッ、と笑った。

「パパ!!」

あたしは自分の顔が赤くなるのがわかった。
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