AEVE ENDING






ザッ…、と白い波が砕けた。

俯いた真醍が、勢い良く砂と波の境に入り込み、刀が飛沫で濡れる。


「…占領闘争?」

く、と低い声が唸った。
鈍い金色の髪が刀と同様に濡れて、まるで涙のように落ちる。

嘲笑を浮かべるしかない「事実」が、そこに在る。



「莫迦、言うな―――」


喉に押し込める、苦しみと悲しみと、深淵を走る、痛み。





「あれは、人間狩りだ」




―――神様。

どうか哀れな主の息子に、罪と罰と救いの、「種」を。





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