AEVE ENDING






(…愛して、いるのか)

あのまっさらなマリアを、心から。

純粋に、護るために、慈しむ。



「…お前も、きれいだね」

反して私は、何故こんなにも醜いままなのか。

「…オマエ、なに言ってるか、理解フノーダヨ」

襟元を絞める手に力が込められる。

ざわりと波が起きた気がした―――ここは、陸なのに。




「そのまま殺しちゃえよ」

一言、甲高い声。

誰が言ったのかもわからない。
わかりたくもない。
塵芥のひとつに過ぎない隆起が、広がる。


(バケモノは始末される)



「殺せ!」
「殺せ!」



『当然の摂理だと思わないかね?』



「雲雀さんだけじゃなく、アナセスにまで手を出すなんて!」
「身の程知らず!」


(お前は、汚い)


「死んじゃえばいいんだ!」
「殺せ!」
「殺せ!」
「殺せ!」


(神に背く罪人には死を)



……コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ。


『憐れだな、橘』


コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ―――。



(すべて失って尚、唯一残った体すら赦されぬというのか)






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