AEVE ENDING
「アナセスは寝たの」
「当たり前よ。あなたも早く寝なさい」
「オレ、アナセスみたいにねんねじゃねーもん」
アナセスのほうが年上だが、そのねじまがった根性が原因か、ジニーはアナセスを敬う心を知らない。
母国の箱舟連中は皆が皆、「一にアナセス、二にアナセス、三四合わせて、五にもアナセス」、というようなアダムばかりいるため、ジニーはどちらかといえば少数派も少数派、大袈裟に言えば小さな反乱分子だ。
とはいえ、アナセスの潜在能力には一目置いているらしく、彼女の前では借りてきた猫より大人しくしているが―――。
「ねぇねぇ、ロビン達はシュラをどう思った?」
どうでもいいが何故お前達は俺の部屋に集まるのか。
ベッドの上へ我が物顔でダイブしたジニーを見ながら、ロビンは訝しむ。
当然、考えるも無駄なことであろうが。
「あれは、神ね」
ジニーの言葉にニーロが捻りもなにもない台詞で返した。
「神」と形容するのは簡単だが、実際にそうであるかと問われれば頷けないのが殆どを占める。
―――が、あのヒバリという男は、「神」の称号に恥じない奇特な存在だと認めよう。
母国をはじめ、箱舟加入国でも「神」扱いされるアナセスだが、俺たちのように直接アナセスに触れあう者の中で彼女を「神」と呼ぶ者は少ない。
彼女自身は当然の如く「神」の名に恥じぬ能力に自信と信頼を置いているし、それにより「神」の名を欲しいままにしてきた。
しかし一度口を開けば、そこらに転がる女の子と変わりない。
無邪気で純粋で、清楚で愛らしい。
…語弊があった。
そこらに転がしておくには違和感がありすぎるほどの、「いいこ」、であるのだ。
「…まあシュラは、期待通りってカンジ」
普段すかした声色とは似ても似つかない弾んだ声でジ二ーが笑う。
因みにジニーは好戦的で有名だ。
好戦的過ぎて、些細な喧嘩で死人を二人出してしまった過去もある。
「面倒を起こしたら、お尻ペンペンだからな」
彼の導火線はミミズより短い。
しかも引火性はガソリン以上。
威力はプラスチック爆弾並みだ。
厄介極まりない。