AEVE ENDING







『ヒトにもアダムにもなれない』
『狭間で苦しみもがき、そうして生にしがみついて足掻いてみろ』
『ヒトが造りだした、最高で最悪のバケモノ』


本来、彼女は在ってはならないものだから。





『―――頼むから、』


そうして痛ましいまでに丸めた体で泣いたのはいつだったろう。



『頼むから、…暴くな』


そうして乾いた砂を腹に孕み、重さに耐えられず、いつか。






「異物…?」

存在することなど赦されない。

傲慢たる神の子がその手を過信し造りだした、罪深き神の子。


『―――もう、生きていたく、ない』






「本能レベルで拒絶するから、橘を嫌悪する本人達にもよくわからない。ただそれを僕に関することに当て嵌めて、自分勝手に解釈してはいるみたいだけど」

冷ややかに落とされた雲雀の視線が扉の向こうへ消える。

雲雀の発した言葉全てを集約し考え、行き着かない答えを求め、ロビンはただ立ち尽くしていた。



『当然です』

大切な大切なアナセスの言葉が蘇る。

『彼女はなにひとつ、悪いことなどしていないのですから』


―――それでも。





『彼女の罪ではない、のに』


穢れた傷は拭えない。






< 924 / 1,175 >

この作品をシェア

pagetop