AEVE ENDING
(何故、二人はあんなに倫子さんのことを…)
二人の気迫に圧されながら、真鶸は息を潜めた。
声も荒い会話は、まだ続いている。
「解っている。解っているが、だからこそ彼女は真鶸に回すべきだ!」
突然出てきた自分の名に思わず悲鳴を上げかけてしまい、慌てて両手で口を抑える。
父は、兄を少しばかり嫌悪する節があった。
本人の前でそれはおくびにも出さないが、きっと聡明なあの人は気付いている。
「…どういう意味です?雲雀さんがアナセスに相応しくないということ!?」
そんなまさか。
兄がアナセスに相応しくないなんて、馬鹿げている。
―――急激に、母の声色が冷たくなった。
「貴方はまだそんなことを考えていたの?彼の血脈はなによりも誇るべきもの。彼は、神の血を引く者です」
母の声が悲鳴染みた色を帯びる。
違和感が拭えない。
わかりきったことを、周知に認められた事実を、繰り返す意味は?
―――あの人は、神の子。
「……神の子、神の子、神の子、破滅遺伝子を組み込まれた、至高の息子」
父が苛、と繰り返す。
「…違うだろう」
脅える、気配。
「あれはただの、棄て子だ」
―――第四章、幕