執事の名のもとに
「執事ってどういうものなんですかね?」
「そうだなぁ…。」
そういえばちゃんと考えたことなかったか。
「自分が仕える主人を守って、力をかすことじゃないか?」
そう答えた俺の顔を見ずに海琉は穴を掘ったところに苗を埋めた。
「あ、…いや俺にはよくわからない。」
そう答えた海琉の表情はなんともつらそうな表情だった。
「簡単にいうと、主人が光なら俺等は影だよ。」
「影?」
「そう、俺もまだはっきりとした執事な役目はわからないけど…主人が笑えるように、明るく過ごせるようにすることは執事として必要なことだと思う。」
「影かぁ、なんとなくわかるような気がします。」
そう答えた海琉の頭をくしゃくしゃと撫でた。