執事の名のもとに
「止めてくださいよ。」
そう言って俺の手を払い除けた。
「お前の声って高いよな?声変わりしてないのか。」
今まで少し離れていた敦が声をかけてきた。
そう言えば確かに男子にしては高い。
「これでもしたんですけど。」
「お前、実は女なんじゃねーの?」
からかった勝の足を海琉はおもいっきり踏ん付けた。
「なんで、俺が女にならなきゃいけないんですか?言っていいことと、言っちゃいけないことをちゃんと区別したらどうですか?」
海琉はそれだけ言うとどこかへ行ってしまった。
「なんだよ、あいつ。冗談なのによ…本気になりやがって。」
足がいたいのか座り込んだまま勝はぶつぶつと文句を言っている。
確かに、あそこまでキレなくてもいいな。
敦とまた苦笑いを浮かべていると授業が終わりをむかえた。