執事の名のもとに
敦に続いて中庭に出た。
夜だからか誰もいなくてただ俺たちの影が街灯から伸びているだけ。
少しして敦がゆっくりと口を開いた。
「多分、晴馬が出ていった後だと思うんだけど、俺も海琉が気になって部屋に言ったんだ。そしたら中から声が聞こえてきて…。」
「声…?」
「ああ、たぶん愛琉ちゃんだと思う。」
たしかに敦が来る前まで愛琉ちゃんと話してたし、海琉の部屋に行くって言ってたからそれは確かだろう。
それに一応家族だし部屋にいて話すぐらいおかしくない。